ファンタジーなクラシック50

 ファンタジーなクラシックも、今回で(なんとまあ!)50回になりました。
 
 応援してくだすってるみなさまには、感謝申し上げます。

 特にmiyabi様におかれましては、この研究報告のスタートに際し、格別のご助言を賜りましたことにあらためて感謝申し上げます。
 
 記念すべき50回目はそのmiyabi様のリクエストをいただき、リムスキー=コルサコフの交響組曲「シェヘラザード」を紹介します。
 
 
 シェヘラザードは、シンドバットの冒険で知られる「千夜一夜物語」を語る王妃の名前です。アラビアのむかし、シャハリヤール王は激しい女性不信におちいり、結婚する人を次々と殺していました。シェヘラザード王妃はしかし、毎夜毎夜楽しい話をし続けて、ついには王の女性不信を治してしまったのです。
 
 リムスキー=コルサコフはオーケストラの扱いに長けていて、今報告でよく登場するストラヴィンスキーのお師匠さんです。この作品は彼の代表作で、各楽器が入れ代わり立ち代わり、すばらしい音楽絵巻を繰り広げます。
 
 組曲は次の4曲から成っており、題がついてます。
 
 第1楽章:海とシンドバットの冒険
 第2楽章:カレンダー王子の物語  
 第3楽章:若い王子と王女
 第4楽章:バグダッドの祭り〜海〜船は青銅の騎士のある岩で難波、終曲
 
 最初に、王様と王妃のそれぞれの主題が対称的に登場し、物語がはじまります。

 いろいろな物語が進む中で、ときおり、王様と王妃の主題が登場し、視点が語り手にもどる手法もバツグンです。

 全曲は40分弱におよぶ大曲で、たっぷりとファンタジーに浸れること請け合いです。 
 

   ☆ ∽§∽ ☆


 DATA

作曲者 ニコライ・リムスキー=コルサコフ(1844−1908)
曲名  交響組曲「シェヘラザード」
マイナー度★★
難易度★★
ファンタジー度★★★★★
聴かなきゃ損度★★★★★

 まこと音楽とは、何ものにも勝る魔法です!


ファンタジーなクラシック49

 こんばんは、さいきんは時間的にもネタ的にもなかなか書く機会もなくなってきた「ファンタジーなクラシック」ですが、ファンクラ49は、春に関し、ウグイスにまつわるクラシックです。去年、春のクラシックにはシューマンの交響曲「春」をとりあげました。あれからもう1年です。

 
 登場するのはもはや「お馴染み」といっても良いストラヴィンスキー。 

 彼のオペラに「うぐいすの歌」というものがあり、その音楽から交響詩「うぐいすの歌」という音楽が創られています。
 
 オペラの楽しいストーリーはこうです。

  
 中国の皇帝がナイチンゲール(夜鳴き鶯)を所有者である漁師より召し出して鳴き声を楽しんでいると、日本の皇帝(天皇)から機械仕掛けのナイチンゲールが送られてくる。鳴き比べをさせると本物のナイチンゲールは逃げてしまった。皇帝は怒り、以後、メイドインジャパンのメカバードを宮廷専属のナイチンゲールとする。しかし、皇帝は病気になってしまう。メカバードも壊れてしまい、精密機械の悲しさか、誰も直せない。皇帝は死の床に臥す。死神の歌。そこへ逃げた本物のナイチンゲールが帰って来て、鳴き声で皇帝は癒され、平癒する。

 
 これはなんとアンデルセンの童話を元にしているそうです。

 また、英語のタイトルは「ナイチンゲールの歌」となっています。

 しかしヨーロッパにいる「ナイチンゲール」という鳥は、日本では「小夜鳴鳥」「夜鳴きウグイス」と呼ばれていますが、ウグイスではなくツグミの仲間だそうです。
 
 ちなみに中国にいるウグイスは、日本のものよりずっと大きな、全長30センチにもなる「コウライウグイス」という鳥だそうです。
 
 音楽は20分間ほどで、

 1.皇帝の登場(導入部) 
 2.中国の宮廷の行進 
 3.ウグイスの歌 
 4.機械ウグイスの演奏  
 
 の4つの部分に大体わけられています。
 
 チャイナさ〜んという中国の音階がまずなにより楽しいですし、フランス音楽風のシャレた管弦楽処理も成されていて、異国情緒満点のステキな交響詩です。日本から送られたのが機械仕掛けのウグイスという設定もニヤリとさせられます。ホンモノのウグイスはフルートの優雅な鳴き声ですが、メカバードはオーボエが主でカクカクしていて、これも対比の妙で面白いです。
 

    ☆ ∽§∽ ☆


 DATA

作曲者 イゴール・ストラヴィンスキー(1882−1971)
曲名  交響詩「うぐいすの歌」
マイナー度★★★★
難易度★★
ファンタジー度★★★★★
聴かなきゃ損度★★★

 まこと音楽とは、何ものにも勝る魔法です!


ファンタジーなクラシック48

 初級で「牧神の午後への前奏曲」中級でラヴェルの「ダフニスとクロエ」をとりあげました。いよいよ第3回、上級編はマーラーの交響曲第3番です。

 マーラーは19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍した人で、生前は作曲より指揮者として高名でした。ドビュッシーとまったく同時期の人です。
 
 マーラーは忙しい指揮活動の合間をぬって作曲にも力をいれ、主に交響曲を作曲しました。ドイツ・オーストリアの伝統を継承しつつも技法的には未来を見据えた革新的なもので、当時は発表するたびに人々から賛否両論の嵐でした。

 第3交響曲は彼の中でも時間的に最も長い音楽で、全6楽章、80分以上あります。その中で、1楽章だけで30分を超えます。
 
 マーラーは若い時は文学青年で、自身は音楽にめざめるのですが、楽章に妙なタイトルをつけて作曲することを好みました。そのくせ、いざ発表するときには「聴衆の理解の妨げになる」とか言って、タイトルを撤廃するのが常でした。
 
 この第3交響曲の第1楽章に、「パンが目覚める。夏が進み来る」とタイトルが冠されていたのです。
 
 ベートーヴェンと同じく、自然の景色を愛したマーラー。第3交響曲は雄大な山麓の夏の風景をそのまま音楽に「転化した」ものともいえます。情景描写とは異なり、夏の精神を音楽化したともいえるかもしれません。
 
 とにかく長いですし、精神的な表現部分も多く、難しいといえばそれまでですが、オーストリアやボヘミアの民謡から発想されたとも言われる旋律そのものは分かりやすく楽しいですし、冒頭のホルン8本による第1主題の吹奏は初めて聴く人の度肝をぬきます。

 打楽器も大活躍、第2主題を変奏するトロンボーンのソロは全編にわたって重要です。木管楽器も自在に活躍し、メルヘンとファンタジーにあふれた交響詩にも思えます。


                 ☆ ∽§∽ ☆

     
 DATA

作曲者 グスタフ・マーラー (1860−1911)
曲名  第3交響曲より第1楽章
マイナー度★★★★
難易度★★★
ファンタジー度★★★★
聴かなきゃ損度★★★

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ファンタジーなクラシック47

 3回シリーズの牧神に関するクラシック、第2回はラヴェルのバレー音楽「ダフニスとクロエ」です。

 ラヴェルはドビュッシーの後輩に当たる作曲家で、同時期からややあとの時期にかけてフランスで活躍しました。

 バレー音楽「ボレロ」と、ムソルグスキーのピアノ組曲「展覧会の絵」をオーケストラ用に編曲した「展覧会の絵」(ラヴェル編曲)が特に有名です。

 「ダフニスとクロエ」は上演に1時間ほどかかるバレーで、その音楽の内から第1と第2の2つの組曲が造られて、さいきんでは第2組曲がよく演奏されているようです。

 また第2組曲は吹奏楽にも編曲されて、そちらの分野でも愛好されています。
 
 ストーリーは、羊飼いのダフニスの恋人クロエに海賊が横恋慕して、誘拐したりなんだりと一騒動あり、最後は大団円という典型的なものです。ダフニスは独りでは海賊たちにかなわないのですが、牧神パンがクロエを助けてくれます。最後は、パンとニンフたちへ感謝を示し、全員が祝福の踊りを踊って終わります。
 
 全3部構成で、第3部が丸ごと第2組曲となっています。
 
 1.日の出
 2.パントマイム
 3.全員の踊り

 この第2組曲だけをきいても、充分に楽しめます。特に日の出(夜明け)は数々の木管楽器とハープが朝日の輝きを表し、舞台裏の合唱も加わって、すばらしく神秘的で美しいものです。全員の踊りはパンの神とニンフの祭壇の前で踊られるもので、バッカス(お酒の神)の衣装を着た娘たちがタンバリン片手に踊り、超ハイテンションです。
 

                 ☆ ∽§∽ ☆


 DATA

作曲者 モーリス・ラヴェル (1875−1937)
曲名  バレー音楽「ダフニスとクロエ」
マイナー度★★★
難易度★★
ファンタジー度★★★★★
聴かなきゃ損度★★★★★

 まこと音楽とは、何ものにも勝る魔法です! 


ファンタジーなクラシック46

 ファンクラ46からは3回シリーズで牧神についてとりあげます。

 牧神はパンという名の、ギリシャ神話の半獣神です。人間の上半身と髭面に山羊の耳と角があり、下半身も山羊です。杖を手にし、松葉の冠をつけています。少々やらしい性格で、昼間からニンフたちと戯れます。真夏の午後には木陰で昼寝をし、邪魔をされると人と家畜にパニックをもたらします。

 牧笛(シリングス)の発明者でもあります。

 1回目はドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」です。

 フランス近代象徴詩の最高傑作である「牧神の午後」に霊感を得て作曲されたドビュッシーの出世作で、これまでのフランス音楽ばかりか、ロマン主義という様式一辺倒だった世界のクラシック音楽そのものの方向性を大転換させた、超問題作でした。
 それは、

 1.自由な形式で作曲したということ。
 2.自由な和声で作曲したということ。
 3.自由な発想で作曲したということ。

 主にこの3つで、ドイツ音楽の絶対的権威を完全に打ち破り、当時絵画の世界で流行っていた印象主義と呼ばれる手法になぞらえて、音楽の印象主義といわれました。が、ドビュッシー本人はそのように呼ばれるのを嫌っていたみたいです。
 
 けだるい雰囲気が、真夏の午後に木陰で昼寝をする牧神を表しています。フルートの催眠音波みたいなソロは、官能的で、夢幻的です。フルートとハープが大好きだったドビュッシー、この二つの楽器が大活躍します。
 
 冒頭の、東洋風ともとれるテーマを自由に展開させながら、リズムも和声も自由に扱われ、10分ほどで消えるように終わります。当時は、とにかくこの曲のすべてが斬新だったようです。

 前奏曲ですが、幻想曲でもあります。また、この前奏というのは詩に対する前奏という意味で、はじめは間奏曲と敷衍曲(ふえんきょく:パラフレーズ)と3点セットで考えていたということですが、それらは作曲されませんでした。
 
 ドビュッシーといえばまずはこの曲。

 機会があればどうぞお試しあれ。
 

                 ☆ ∽§∽ ☆


  DATA

作曲者 クロード・ドビュッシー (1862−1918)
曲名  牧神の午後への前奏曲
マイナー度★
難易度★★★
ファンタジー度★★★★★
聴かなきゃ損度★★★★

 まこと音楽とは、何ものにも勝る魔法です!


ファンタジーなクラシック45

 1ヶ月ぶりのファンクラです。45です。

 今回は、25でもとりあげました、クモに関するクラシックです。以前のクモは2巻のクモ(映画、あんなに出るとは思いませんでした。私もクモは大嫌いなので、縮んでました。)でしたが、今回は4巻のクモです。
 
 とある授業で、3匹の哀れなクモが、登場しました。

 音楽は、芥川也寸志による舞踊組曲「蜘蛛の糸」です。

 芥川也寸志は、かの文豪・芥川龍之介の3男にあたります。もっとも、2歳のとき父龍之介が自殺したので、記憶はないそうです。

 かれは作曲家だけではなく指揮者やN響アワーの司会やジャスラックの理事長もつとめた才人です。
 
 蜘蛛の糸は父・龍之介の作品にインスパイアされたもので、お釈迦様が地獄に蜘蛛の糸を垂らして、生前に唯一の善行として蜘蛛を1匹助けた悪人カンダタを救おうとする、あのお話です。
 
 バレエ音楽として作られましたが、音楽だけ聞いても、充分に情景がうかぶものです。

 龍之介の作品は短く文章も読みやすいものですが、人間の本質、醜くも偽らざるエゴイズムというものをナイフのように鋭くついた、たいへんにすばらしいものです。その父の作品に音楽をつけるというのは、也寸志も、いくぶんかプレッシャーだったようで、数的にはあまりありません。(他には河童がバレエとしてあるそうです。)
 

                 ☆ ∽§∽ ☆


  DATA

作曲者 芥川也寸志 あくたがわ やすし (1925−1989)
曲名  舞踊組曲「蜘蛛の糸」
マイナー度★★★★
難易度★★★
ファンタジー度★★★★
聴かなきゃ損度★★★

 まこと音楽とは、何ものにも勝る魔法です!


ファンタジーなクラシック44

 妖精について、レポートがありました。ファンクラ44は、妖精のクラシックです。新刊でも、妖精は大活躍でした。
 
 何度か登場しているストラヴィンスキーですが、彼は20世紀を代表するバレエ音楽作曲家です。バレエ音楽と題されているものだけで16作品におよび、他の作品へバレエの振り付けを施したものを含めると40余になるとか。
 
 1928年、ストラヴィンスキーはアンデルセンの童話「雪の妖精」によるバレエ「妖精の口づけ」を作曲します。

 冬の嵐をついて、幼児を背負った母親がスイスの山奥を歩いています。雪の妖精が現れて幼児の額へ「運命のキス」をします。母親は死にますが幼児は翌日農民に助けられます。20年後、村の祭りで立派な青年となった幼児が、許嫁とスイス舞踊を踊ります。そこへ雪の妖精が現れて青年を魅惑し、連れ去ります。水車小屋では、青年を連れ戻しにきた娘と青年が踊ります。そこへまた雪の妖精が現れて、運命のキスをして現世を忘れさせ、永遠に雪の国へ青年を連れ去ってしまうというストーリーです。

 音楽的には新古典主義という現代的な手法でバロック的な音楽を作るという技術か用いられ、古めかしいような、斬新なような、不思議な響きになっています。また、チャイコフスキーのピアノ曲や歌曲からの引用もあり、聴きやすいものです。

 正直、マイナーな曲ですので、大きなCD屋さんのクラシックコーナーをよく探せば、きっとあるでしょう、といった程度です。

 興味のある方はぜひどうぞ。(全曲版と組曲版があります。)


                 ☆ ∽§∽ ☆


 DATA

作曲者 イゴール・ストラヴィンスキー(1882−1971)
曲名  バレエ「妖精の口づけ」
マイナー度★★★★
難易度★★★
ファンタジー度★★★★
聴かなきゃ損度★★★

 まこと音楽とは、何ものにも勝る魔法です!


 ファンタジーなクラシック43は、トヴォルザークの交響詩「水の魔物」といきましょう。これはつまり水魔です。

 英語の題はウォーターゴブリンとなっています。原題ではヴォドニークとあります。(Vodnik) チェコ語でしょうか。
 
 交響詩ですから音楽にストーリーが付随しております。

 このお話はチェコの伝説と思われますが、少々残酷です。本当は怖いなんとやらを地でゆくものです。

 アレグロ・ヴィーヴォではじまる激しいテーマは、水魔の主題。アンダンテ・ソステヌートの静かなものは娘と母のテーマ。またアレグロになると、娘が魔物にさらわれてしまいます。アンダンテ・メストは同じアンダンテ(人の歩く速度で)でも暗く神秘的にという意味です。これは湖底での寂しい生活と子守歌、とあります。

 レント・アッサイは、寂しさに耐えられなくなった娘が魔物と魔物とのあいだに生まれた赤子を置いて家に帰ってしまいます。

 いよいよラストです。

 アレグロで怒った魔物のテーマが奏でられ、帰らぬ妻に怒った水魔が赤子を家の扉に投げつけた悲劇の結末。

 最後は、後奏が静かに流れ、物語の終わりを告げるのです。
 
 正直言いまして、ドボルザーク先生は交響曲の大傑作、第9番「新世界より」を書いたあとは交響曲をいっさい書かずにこういう交響詩をセッセと書きましたが、あんまり面白いものではありません(笑)

 ですからCDも少ないです。
 
 ご興味のある方は、探して聴いてみるのも、一興でしょう。
 

                 ☆ ∽§∽ ☆


  DATA

作曲者 アントン・ドヴォルザーク(1841−1904)
曲名  交響詩「水の魔物」
マイナー度★★★★★
難易度★★
ファンタジー度★★★★
聴かなきゃ損度★★


 まこと音楽とは、何ものにも勝る魔法です!


ファンタジーなクラシック42

 みなさまこんばんは。

 PCが入院している間に人事交替があったのですね。Grog元寮監、miyabi様、おつかれさまでした。個人的にもいろいろご指導いただきましたこと、なつかしく思います。特にmiyabi様の助言がなければ、このファンタジーなクラシックは始まりませんでした。ファンクラの影の立役者といっても過言ではないでしょう。 
 
 そんなわけで(どんなわけ?)今回のファンクラ42はmiyabiさんへの感謝の意もこめつつ、新刊より人魚に関するクラシックです。
 
 19世紀末に指揮や作曲で活躍したアレクサンドル・ツェムリンスキーという人の書いた交響詩「人魚姫」です。名前はロシア人ですが、オーストリアのウィーンで活躍した人です。
 
 曲は3つの部分からなり、それぞれタイトルが関されていますが、お金をケチって輸入盤のCDを買いましたら、英語じゃなくってドイツ語で、辞書片手に頑張ってみましたがダメでした(笑)

 荒れた海がどうとかなっていますので、人魚姫に関する解説のようです。

 (ここからは私の個人的な解釈です)
    
 第1楽章は海の底の模様です。暗く静かで、そしてウィンナワルツを思わせる優雅で可憐な旋律が流れます。どこか物憂げではかないところが胸をうちます。途中で海が荒れます。嵐がきたのです。人魚姫が、王子様を助ける場面でしょうか?

 2楽章は壮大なファンファーレで幕を開けます。お城の模様に聞こえます。舞踏会が始まりました。優雅な人魚姫の旋律が楽しげに踊ります。人魚姫には声と引き換えに手に入れた美しい脚があるのです。(集結の和音はまるでアニメみたいだ〜)

 3楽章のすすり泣くような開始は、もう人魚姫の結末を暗示しています。声の出ない人魚姫は、隣国のお姫様と結婚する王子様を、見ているほかはないのです。こぼれ落ちるハープが人魚姫の涙のようです。ショックと悲しみのあまり、人魚姫は、ついに海の泡となって消えてしまいました。。。


 ディズニーとはひと味もふた味も違った、世紀末ウィーンの情緒をお楽しみください。

 そしてこの人魚姫の物語をmiyabi様の思い出に捧げます。

 って、別にいなくなるわけではないんですけどね(笑)
 
 ちなみにドイツでは人魚姫はズィーユングフラウ……海の少女となっています。英語ではおなじみ、マーメイドですね。
 

                 ☆ ∽§∽ ☆


 DATA

作曲者 アレクサンドル・ツェムリンスキー(1871−1942)
曲名  交響詩「人魚姫」
マイナー度★★★★★
難易度★★
ファンタジー度★★★★★
聴かなきゃ損度★★★★

 まこと音楽とは、何ものにも勝る魔法です!


ファンタジーなクラシック41

 ファンクラも回を重ねて、今回から新刊に係わってきています。どこがどのように係わってきているかはネタバレになりますので言いません。どうぞ探してみてください。
 
 ファンクラ41はコガネムシのクラシックです。

 とはいえ、コガネムシがタイトルについているわけではありません。

 交響曲第9番「新世界より」で高名なドボルザークの、9番の前のシンフォニー、交響曲第8番は、タイトルもなく知名度も低い地味な曲ですが、聴いてみると意外に楽しく、なんといってもその第4楽章に「コガネムシ〜は、金持ちだ〜」に「とってもよく似た」旋律が飛び出して、聴くものをドキリとさせます。

 別名「コガネムシ交響曲」(うそ)
 
 そのあまりに通俗な旋律を嫌いだという人もいるし、逆に好きだという人もいます。何はともあれ、1度自分で聴いてみるのがよろしいでしょう。
         

    ☆ ∽§∽ ☆


 DATA

作曲者 アントン・ドヴォルザーク(1841−1904)
曲名  交響曲第8番
マイナー度★★★★
難易度★★★
ファンタジー度★★★
聴かなきゃ損度★★★★

 まこと音楽とは、何ものにも勝る魔法です! 




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