無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄


 ああ、呪文のように響くこのお言葉。まさに玉音。

 
おおっ、ブラボー!! (これはポルナレフ)

 自慢ではあるが「ジョジョの奇妙な冒険」は1巻から初版であるよ。

 もっとも「バオー」も初版だが。

 荒木先生のファンになったのは「魔少年 ビ−ティー」からであるが、さすがにそれは初版ではなかった。そういうのぜんぜんまだ気にしない小学生のころだったから……仕方がない。 
 
 2003年、第6部が完結した。

 これは、さすがのわたしも第5部で終わりだろうと思って、いざ新連載がはじまると、

 「またスタンドかよ!!」
 
 あれはビックリした。

 昔からの長いジョジョファンの中にも……いや、昔からのファンだからこそ、部ごとに好きな(面白い)部があったり嫌いな(つまらない)部があったりするのはしょうがないことで、ここでは長いジョジョ歴をふりかえりつつ、第1部よりみてみたい。


第1部

 来訪者バオーはハナシも画も斬新かつ迫力もあり、かなり面白かったのだが、なぜか連載はいつもケツの方で、子ども心に不満であった。連載自体も、瞬く間に終わってしまって、それも不満であった。
 
 期待の新連載はなんかフツーのマンガで……これもたちまち連載順番はビリッケツ。荒木ファンとしては、なんともやるせない気持ちでいっぱいだったのを覚えている。
 
 ところが、ジョナサンとディオが大学生になってより、ハナシは急展開。なにせ石仮面だ。しかもジョジョはデカイ。ディオにいじめられてたジョジョが、立場が逆転か!? という期待もあったが、なによりディオの善人ヅラの内に隠されたドス黒い邪悪が、面白かった。
 
 そしてヴァンパイアファンとしても、地味にこれは吸血鬼ものであるというのも嬉しかった。

 その吸血鬼に対抗するは波紋!!
 

 
ズッキュウウウーーーン!!
 
 「サンライトイエローのオーバードライヴゥゥ!!」
 
 なんじゃこりゃ……。
 
 いまでこそ楽しいあの独特の効果音や決め台詞は、最初は遠い目になったものだ。が、波紋という概念は、荒木比呂彦はどこからもってきたのか、やはり斬新だった。太陽の波動と同じ波動を体内で呼吸法により発生、手足の先端より放出し、吸血鬼を攻撃する。攻撃された吸血鬼は溶けたり灰になってしまう。

 いわゆる吸血鬼の「真祖」が、石仮面によって生まれるという設定も心ひかれた。
 
 ラスト、首だけのディオと新妻を命懸けで護るジョジョの対決は胸をうたれるものがあったし、荒木比呂彦がジョジョでつきつめている「人間讃歌」なるものが、如実に現れている。

 すなわち、人間がもつ善の部分と悪の部分。それをあからさまに体現したのが、ディオとジョジョなのだ。

 池波文学にあるような、ときに滑稽に、ときに痛々しいほどに表現されている人間の本質。鬼平はいう。

 「善いことをしながら悪いことをし、悪いことをしながら善いことをする。それが人間というものさ」
 
 ジョジョも人間ならば、ディオもまた、人間の弱さをもった愛すべきキャラであったといえよう。弱さがあるゆえに、強さを求める。強いものにあこがれる。それも人間の本質であろう。

 荒木比呂彦がジョジョで一貫して描こうとしている壮大なテーマ。それは
人間讃歌。

 人間でなくなったディオも、人間のエゴからは逃れることはできなかった。


 では、続く第2部で登場する謎の古代人たちは、いったいどうなってしまうのだろう。

 カーズ、エシディシ、ワムゥ、そしてサンタナ(やつ)の4人も、作者は人間として描いていたのだろうか。それとも、人間を超越したモノへあくまで人間として対峙するジョセフたちの勇気を描きたかったのだろうか。
 
 実力がともなわぬジョジョが「波紋マスク」をつけ、死の修練場で必死で努力をする。

 そこへ登場するエシディシ。ジョジョはそれを倒す。

 エシディシのラスト、脳神経のみとなってしまったエシディシを、シーザーはおぞましい、と言う。しかしジョジョはその生命力へ敬意を評する。

 人間も、超人も、生きるという点では、同じだというのだ。

 
それもまた、人間讃歌の一種といえるだろう。
 
 シーザー、ワムゥと、互いに仲間が減ってゆく。

 しかし、カーズは、敬意を評する相手ではなかった。

 これこそ隠された邪悪の象徴であり、人智を超えた知識とパワーへの挑戦を意味する。
 
 その人智を超えたパワーは、さらに大きな、さらに人智を超えたパワーにより、大宇宙へ追放される。

 人間の、生命のちっぽけさを、いやでも味わわされる一瞬だ。
 
 そしてけっきょく、第2部でもっとも人間くさかったのは、誰あろう、シュトロハイム少佐であった。
 
 「ナチスドイツの科学力技術力は、世界イチィィィィィィィイイイイイイイ!!!!!」
 

 あーもー最高。

 もっとも、シュトロハイム少佐のセリフでいちばん好きなのは 「飲んどる場合かーッ」 です。


 そして第3部より、まったくの新しい概念が登場する。

 それは
スタンド

 幽波紋と、当初は当て字がふられていた。これは、人間のもつ神秘のパワー、いわゆる「超能力」を、マンガ的に視覚化させたもの、と作者は解説している。
 
 はじめはこれもタロットカードにあてはめて解説されていたが、最後に方になるとエジプト九柱神だとかなんだとかとなり、ついにはオリジナルのスタンドが次々と登場。第4部でそれは「弓と矢」へとつながる。

 スタンド使いで、ジョジョとその仲間たち以外、すなわち敵スタンドで、印象的なのは、やはり私はまずは最初に登場した本格的敵スタンド「タワー・オブ・ザ・グレー」だ。あのクワガタ虫スタンドの強烈な姿もさることながら、本体は客にまぎれたジジイという、かくも人間は見かけによらない、隠された人間の本性とは何か、悪とは何かをみせつけてくれた。
  
 そういう意味では次のトボけた船長「ダーク・ブルー・ムーン」もグッドなスタンドだった。

 
「水中だがスタンド同士によって会話が可能!!」

 う〜ん、そうなのか。
 
 それからの長い旅の中、ジョジョたちはいろんな、本当にいろんな人間と出会った。普通の人間ですら本当にいろんな人がいるものなのだから、それがスタンドを出すほどのいろんな意味においての精神力をもったほどの人間である。単純に個性的とかいう言葉では片づかないだろう。猟奇的ではやはり呪いのデーボと「ザ・デビル」がダントツだろう。
 
 その頂点に復活したディオ様がいた。

 「無敵!」「不老不死!」「そしてスタンドパワー!」

 最強だったね。時をも止めるスタンドは本当に最強だった。

 あらゆる意味で最強だった。

 最強すぎて負けてしまった。
 
 最強スタンド、最強キャラは、かくして承太郎の称号となる。
 
 ところで第3部でいちばん好きなスタンドはなんだろう。

 ペットショップの「ホルス神」の氷のスタンドもよかった。イギーも「ザ・フール」もよかった。動物がスタンド使いというのはオランウータンの「ザ・ストレングス」が実は最初だった。

 地味にエジプト九柱神のスタンドは個性的でいいものが多い。

 「もしかしてオラオラですかあああああ!!!」
 「YES YES YES YES YES……」

 が、私はスタンド使いも含めて好きなのはホル・ホースの「ザ・エンペラー」かなあ。「ナンバー1よりナンバー2」がスタンスのホル・ホースは、暗殺者である。「ハングドマン」にくっついてジョジョたちをねらったが、失敗。ディオに忠誠を誓いつつ、ボインゴと組むがこれも失敗。憎めないどこかユーモラスのあるヤツで、肉の芽も埋められず、ジョジョにやられたといってもディオの配下の中では唯一、軽傷(あれでも)で終わっている。

 スタンドは暗殺に最適な拳銃のスタンド。弾もスタンドで、何度か死にそうになっているが助かっているのは優れた「スタンド使い」の証拠だろう。


 ところが、第4部では、急に敵が地味になる。

 それは作者がそう狙ったのだという。舞台が世界規模なものから急に地方都市となる。

 町内に群れるスタンド。

 隣人が、普通に住む善良な市民が、実はスタンド使い。そういう恐怖と奇妙さ、不思議さを狙った。

 3部ではみな暗殺者や犯罪者がスタンド使いだった。それはスタンド能力を悪用したものだった。 

 それが逆転する。つまり、いままで普通の小市民だったものが「弓と矢」により、潜在能力を引き出されてある日突然スタンド使いとなる。するとどうなるか。
 
 恐喝、盗み、そんなものにスタンドが使われる。

 ついには人を殺しても感覚が麻痺する。
 
 どこかで見たような、聞いたような話ではないか。

 億泰の「ザ・ハンド」が渋くて良い。あんなゴツイスタンドで、その右手は「なんでも」削り取ってしまう、兄の形兆も震えがくる実は使いようによってはすごくオソロシイスタンドなのだが、人のいい億泰が使い手なのでちょっとした「瞬間移動」とかが能力のようになっている。

 いやー、
人間だなあ。

 でも怒るとその能力は全開される。
 
 「いままでバカにしてごめんね」(仗助)

 玉美の「錠前」とか袴田の「サーフィス」とか、能力自体は地味だがその使いようによって面白い効果を出すスタンドが増えているのも特徴だろう。ここに、スタンドの能力だけではなくその「使い方」も楽しめる構図ができあがっている。
 
 そんな4部でさらに印象的なスタンドはまず重チーの「ハーヴェスト」由花子の「ラヴ・デラックス」さらに名も知らぬネズミのスタンド。

 イタリア料理のヤツもいたなあ〜〜。

 そして吉良の「キラー・クィーン」

 ここらへんから洋楽等のバンド名がスタンド名となる。

 「レッド・ホット・チリ・ペッパー」とか。私はぜんぜんくわしくないので、どうでもいいが。
 
 スタンドの概念としても、射程距離の短い「近距離パワー型」と、パワーは無いが持続力や射程距離の長い「遠距離型」の2種類があったが、さらには「ハーヴェスト」や「バッド・カンパニー」のような「集団型」も現れる。

 そして自らの肉体や道具の一部がスタンド化する「実体型」もある。実体型の最初はこれも「ザ・ストレングス」だった。動物スタンドの最初にして実体型スタンドの最初でもあった。

 「自動追跡型」というのは本人の意思とは関係なく、スタンドが自立しているパターン。「鉄塔」スタンドもその一種だろう。もっともあれはスタンドが「暴走」するという新たなパターンもあるというのを教えてくれた。

 砂、氷、水、火、剣、銃などの具体的な概念がスタンド化するパターンも多い。

 康一の「エコーズ」はアクト1〜3まである事により、遠距離型と近距離型の使い分けかできる。精神力に対応があるという事なのだろう。さらに「キラー・クィーン」に到っては本体の他に、能力として自動追跡型が併存している。「シアー・ハート・アタック」という熱感知爆弾スタンドである。吉良の分裂性の現れだと観ている。

 4部は3部に比べてつまらないというのは間ちがっている。3部に比べて本当に地味なだけで、通好みのスタンド使いがゴロゴロいる。


第5部がはじまったとき友人の1人がこういった。

 「ついにイタリアのチンピラまでスタンド使いに!」

 ヤクザがスタンド使いなわけで、4部とはうってかわってまた、凶悪的に攻撃的なスタンド使いたちの登場となった。
 
 攻撃的という点では3部への回帰のようにもに思えるが、3部に比べて、まったく品が無い。出てくるのはゴロツキばっかり。

 その中で、ジョルノのスタンドが「相手に生命を与える」「無より生命を作り出す」という、創造的なものだったのが印象的だった。仗助の「傷を治す」という能力もそうだが、基本的に優しい人間なのだろう。

 アバッキオの「ムーディーズ」も特徴的だったが、好きなのはナランチャの「エアロ・スミス」。

 また5部スタンドの特徴として、能力がさらに複雑化し、その使い方も凝ってきた、というのもあるだろう。つまり、単純な力とかではなく、映像スタンドだったり、物質を空中に固定するスタンドだったり、釣り竿スタンドに老化スタンド、磁力スタンドもいた。さらにはカビスタンドと地中水泳スタンドの極悪コンビ。
 
 そしてついにボスのスタンド「キング・クリムゾン」が登場するわけだが、未来を予測し、さらにはその未来(時間)をぶっ飛ばして「事象の結果」のみを顕現するという、なんだかよく分からない能力をもっていた。

 「ザ・ワールド」と「スター・プラチナ」は時を止め、「キラー・クィーン」も最後は「時間をもどし、望まれた結果が現れて能力を解除するまで何度でもその時間を繰り返す」という究極能力を得ていたが、スタンドの究極はどうしても「時」の概念にたどりつくようだ。

 人間にとって「時」こそがその影響から逃れることのできない究極のものだからなのだろう。

 そのスタンドを超えたスタンドに「ゴールド・エクスペエリンス」はたどりついた。その能力はけして「終点にはたどりつくことはない」という感覚的なもので、ジョルノ本人も気づいてはいないという。

 「ゴールド・エスクペリエンス・レクィレム」は、きっと無意識の内に発動し、そして、もう二度と現れることの無いスタンドなのかもしれない。


 第6部「ストー・オーシャン」もやっぱりスタンドだった。

 というか6部かよ! 
 
 こんどは刑務所という「限定された設定・空間内」においてのスタンド使用となった。
 
 弓と矢の代わりに、スタンド能力をDISCにし取り出すという、考え用によっては無敵スタンドが登場し、悪人たちを影で操っている。

 ディオの親友のプッチ神父である。
 
 しかもスタンド「ホワイト・スネイク」はどうやら自動追跡型のようで、自ら思考しつつも、遠距離まで行き、さらに近距離パワー型の特徴も持っている。スタンド能力をDISCにする過程で、相手に幻覚を見せ、ドロドロに溶かしてしまう。

 「フー・ファイターズ」が死んでしまったのは残念だった。惜しいスタンドだった。
 
 「ウェザー・リポート」が、あそこまで活躍するとは思わなかったし、あんなに使える・強いスタンドだったとは。あれはある意味最強スタンドではないか? 気象を操るという大きな概念のスタンドだったが、まあ雷撃とか雲とか雨とか風圧攻撃とかは、凡人の考えることだろう。
  
 ウェザーの無意識下における究極の能力。オゾン層の変化によるサブリミナル効果(デンデン虫攻撃)と、純粋酸素攻撃。この発送がイカス。荒木比呂彦絶好調。

 敵スタンドのアイデアもますます冴え渡り、無重力スタンド、隕石スタンド、透明ゾンビスタンド、プッチ神父はまあよくもあれだけ集めたりと感心する。脱獄防止スタンドまであったなあ。
 
 最後、プッチ神父のスタンドはまた結局わけの分からぬものに進化した。重力スタンドからやはり時の概念へ。重力も時も、人間の感覚からすればあまりに大きい。宇宙が一巡したって、何百億年進めたんだよ。

 しかしその人知を超えた宇宙の一巡も、エンポリオの勇気と機転によって、阻止される。

 壮大なる荒木ワールドによる人間讃歌は、こうしてたった一人の少年の勇気と機転を讃えることにより、一応の幕を閉じた。時をも止める最強スタンドですらかなわなかった無敵のプッチ神父。ディオとの精神(スタンド)の合体に成功し、プッチはまさに世界を変える能力を手にした。

 その神父を止めたのは、エンポリオではあるのだが、ウェザーの長年の想い、兄を倒すという呪われた想いであったのは非常に感慨深い。

 しかしわたしはあのラストは疑問だぞ。パラレルワールドになってしまったのだから、しょうがないのかもしれないが。
 
 あれはあれで、ついにジョースター家とディオの「因縁」が断ち切られたということなのだろうか。

 7部はあるのかないのか。できれば無いほうで願いたい。この衝撃と虚脱感のあとに、どのような形でジョジョとディオの呪われた因縁をからめるというのか。新展開ならいいけど。


 というより、私はビーティーもバオーもアイリンもジョジョと同じく等しく愛している。たから、別にジョジョにこだわらないのだバルバルバル!

 荒木センセの新しいマンガも読みたいし。

 と思っていたら。

 
いきなりスタンドが発現!!

 スティールボールラン。


 2011年、その第7部SBRも終わってしまった。

 スタンドも途中からは明確になったが、さいしょはスタンドだったりスタンドじゃなかったり、名前もけっきょく分からないスタンドもあったり(ポコロコのスタンド名は結局出てきましたっけ?)なんだかもうめちゃくちゃだった。

 
しかもザ・ワールドとかwww

 
そして第8部(^^;

 もう書くことも無くなってきました。

 




 


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