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 いやはや、2022年はついぞ1枚も新譜を聴かないかと思っていたら、最後の最後に1枚だけ更新することができた。
 ただし、不気味社である。

 交響ファンタジーホルン
 作曲:伊福部昭
 編曲:八尋健
 演奏:大貫ひろしとウィアード交響ファンタジーホルン合奏団

 不気味社は男声合唱により様々な伊福部昭等の編曲ものを歌うという、異色で不気味な同人音楽集団である。これまでにも、当コーナーで古くより紹介している。

 その中で、男声合唱では無く、じっさいに器楽合奏をする企画もある。さらにその中でも、ホルン合奏団という異色シリーズの最新作が、この交響ファンタジーホルンである。

 すなわち、伊福部昭のSF交響ファンタジー3曲を、ホルン合奏にしてしまったのだアーーーッッ!!!

 しかも、演奏がまたうまい。そして演奏する方もする方だが、編曲する方もする方である。ドラの一打までホルンにするヤツがどこにいるのかという想いだし、ブフー〜! とかいう音で再現する方もする方なのだ。

 (男声)合唱版においては、打楽器までもボイパで再現する再現性に舌を巻いたが、ホルンでボイパならぬホ、ホルンパ? するのも、またそもそもさせるのも、唸る。また、ホルンならではの勇ましいフラッターや、緩徐部のアンサンブルの美しさを活かすやり方もうまい。さすがの編曲である。八尋健の伊福部愛に、感心を通り越して感動すらする。

 SF交響ファンタジーにあって、個人的に好きなのは轟天号とキングコング輸送作戦のテーマのある3番で、次にキングギドラのテーマのある2番なのだが、どちらも1番に比べて特殊奏法も多く、演奏が難しいと思う。それをホルンで吹ききってしまうのだから、たまらない。リピートを、全てちゃんと繰り返しているのも点数が高い。さすが八尋氏である。演奏時間などの関係で、けっこう当曲のリピートは省略される。

 そして、やはり2番と3番で驚愕したのは、2番冒頭のティンパニや、3番のスーザンとコングのテーマのティンパニをホルンでやってしまうところである。また3番といえば、最後のマーチのピッコロの猛烈な16分音符も、ホルンでやっちまうのが魂消た。





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