かたよりクラシック道
2002年2月に発行した、自費出版です。
そもそも小説だのなんだのを下手の横好きで書き出したのは中学のころで、将来、本なぞをだしてお金をもらえたら最高だなあ、夢でお金を稼げたらいいなあ、と思うようになったのは高校になってから。それはつまり初代・後の祭を書き出して、それがまた思ったより(あくまで自分で思って、ですが……念のためw)書けたので、思い上がって言語道断にもそのように感じることになり、自分にいつか本を出す、と誓った。
その小説の合間に、気分転換として、好きなクラシック音楽の自分なりの解説や感想、評論もどきを書いていた。
ところがそれがなんと書きに書きまくって原稿用紙に換算して600枚になり、こいつも投稿してみようと思って投稿したら本になる機会を得た。と、いっても自費出版だが(笑)
本にするのは、さすがに原稿用紙600枚全部は無謀で、最初の250枚部分だけを抜粋してすることとなった。それを1章、2章とするのだ。すなわちマーラーとストラヴィンスキーの部分を抜粋した。2章はストラヴィンスキーの他に3人いて、そのような事情でカットされたので、異様に短くなっている。
それへ先立ち、本屋でバイトをしている友人と製本費がいくらぐらいだろうと電話で話をした。
友人は、自費出版でも聞いた話だと300万ぐらいだから(注:部数や出版社によります)、覚悟しといたほうがいい、と言った。私は高くて150万ほどで、100万以内だと助かるなあ、と答えた。
ふたを開けたら200万。
さすがにちょっとショックだった。
3年ぶんの貯金はパ〜。
しかしこれは実績を作るというには充分すぎるチャンスであるし、なにより夢がかなう。できれば正規出版がそりゃ望ましかったが、無い物ねだりはしてもしょうがない。
そのまま売れれば、次回作執筆のチャンスもある。かもしれない。
あくまで売れればだが。まあまず、売れない。
というか、日本の出版業界では、自費出版は正規販売ルートに乗らないシステムゆえに、売れようがない。
正直、3万部ぐらい売れたら元がとれる。
……3万部かあ。
初版って流通800部なんだよね(爆)
DATA
九鬼蛍 著 文芸社 「かたよりクラシック道」 定価 1,000円
興味がございましたらどうぞよろしく。
2004/11/17
いささか、中身が古くなってきております。在庫はゴッソリあるようですが(笑)
もし、お読みになられた方がおられましたら、当たり前ですが、当時の見解であるというのを、お手数ですがご把握ください。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
しかし、回収されずにまだ地味にポツポツと店頭にあるところを見ると、たまには売れているのかなあ。
もう自費出版は資金的にムリなんで、続きは出ません(笑)
2011/4/18
地味にアマゾンでも売ってたのだが、いよいよ在庫が切れたようです。とっくのとうに自分とは契約が切れてますが、10年かけて在庫が無くなったと考えると、ちょっと感慨深いです(^^;
お買い上げいただき、読んでくださった方々、どうもありがとうございました。
本文の訂正
ワーグナーテューバとテナーテューバは本文では同様に書いたが、実は異なる楽器だった。謹んでお詫びし、訂正します。この「テナーテューバ」という楽器に関しては、金管奏者でも誤解している方がいるほど、日本では複雑になっております。詳しくは 私のマーラーの7番のページをご参照下さい。
内容の改正
マーラー交響曲第2番の第1楽章は、かつて独立して出版されたことがあるらしい、と書いたが、出版はされておらず、1988年の全集版ではじめて出版されたそうです。
嘆きの歌で、歌詞をリストが酷評したとあります。山崎与次兵衛のページ のよじべえさんの調査により、以下のことが判明いたしました。よじべえさん、ありがとうございます。
「1883年9月13日付けのマーラー宛のリストの書簡の内容がMahler Studies (Cambridge
University Press, 1997)所収のEdward R. Reilly "Das klagende Lied reconsidered"の中で紹介されていました。論文では原文(ドイツ語)と英訳が載っています。リスト自筆書簡の写真も掲載されています。(私が参照している2006年のペーパーバック版ではpp.39--41。)
書簡自体は短いものなので本文だけ簡単に訳すと、
「拝啓、
ご親切にもお送りいただいた作品「森のメルヒェン」は価値あるものです。
しかしながら詩の方は成功を保証するようなものには見えません。
敬具」
ということで、御著書の記述には間違いはありません。」
このリストの評は第1部に限定されたもので、レイリーによるとこの評も参考にし、マーラーは嘆きの歌の1部をカットした可能性もあるとのことです。
前のページ
後の祭