マーラー交響曲ベスト5!!


 みな我輩(九鬼蛍)コレクションからです。

 原則として推奨CDは海賊盤を含んでおりません。もっとも、正規盤といえども今はすぐに生産中止になって、海賊盤と大して差はないのですが。。。

 当初はベスト3−5でしたが、みんなベスト5になったので、正式にベスト5にします。でも5枚以上はキリがないので、いちおうベスト5でおさえてあります。また、星の数には、厳密にこだわっていません。人によっては下手すぎて聴いていられないというものでしも、何かしら感動があれば挙げています。

 レーベルやCD番号はディスコグラフィーをご参照ください。また新しいCDの入手により、順位や推奨CDが変わる場合がございます。
 
 ではいってみよー!

 ※合唱・独唱(歌唱)は門外なので、オケをメインにしてあります。また演奏は面白くても、音質の関係で除外している場合もありますし、その逆もあります。


第1交響曲

1.テンシュテット/シカゴ交響楽団(ロンドンフィル)
 人によってはシカゴ響が 「ぎこちない」 といって嫌う人がいるのだが、それにしても尋常ならざるこの演奏。テンシュテットの鬼気せまる表現に、無敵のシカゴ響が懸命に付き従っているその迫力。特にラストは圧巻。1990年のライヴ録音。DVDではテンシュテットの貴重な指揮姿が見られるばかりか、DTS 5.0chの音質を味わえる。またロンドンフィルのものでは、1985年のライヴが、こなれ具合といい、最高である。また1990年のシカゴと同じ年のLPOとのライヴも出た。これもまた最高。1番はテンシュテットに限る。別格。聴かせ方が他の指揮者と段違い。正直、中身は大して無い1番を 「聴かせる」 にはすごい演出が必要。

2.ジンマン/チューリッヒトーンハレ管絃楽団(SACD 5.1ch)
 「21世紀のマーラー像!」 と謳われる、ジンマンの明晰かつ、主観的なアプローチ。これはこれまでにない、完全なる、新しいマーラーの世界。その音楽のとらえ方はけしてただの分析系からは伝わって来ない温かさがあり、音符を道具として捕えてコネクリ回す嫌らしさは無い。かといって大仰に騒ぐ物でも無く、マーラーの理想としていた、音響像をしっかりと伝えてくれる。なにより録音が最高! なんというきれいな音!! マーラーが自分の交響曲に求めていた最大の要因 「明快さ」 をこれ以上に味わえる盤は今のところ無いように思える。
 
3.コンドラシン/NDR交響楽団
 テンシュテットの代役で登場し喝采をあびたその夜、急性心不全で亡くなったコンドラシン。その伝説のライヴがついに正規レーベルでCDに登場。スコアを浮き彫りにしつつ、昂奮的に一気呵成に聴かせる手腕。1番が名曲だと思う瞬間。1981ライヴ録音。
 
4.ギーレン/SWR交響楽団
 純粋に1番のウキウキした青春の楽しさや、憤り、不安、情熱、そんなものを素直に芝居にしたような快作。1番をはじめて聴く人も、聴き飽きた人も、いろいろと楽しめることうけあい。ラストも爽快。
 
5.ワルター/コロンビア交響楽団
 ここで古典的演奏が登場。古典といっても演奏自体はかなり独創的。なにより1楽章はリピートなし。いうのは簡単だが、ワルター以外、ほとんど聴いたことない。* なんで無いんでしょうね? どうも、リピートは出版に際して作曲者がつけたようで、初演の演奏に従っているらしいですが、まあ、他にもいろいろ理由はあると思いますが……。3楽章がまた、不気味なまでにうらぶれていて、グッド。4楽章は逆に物足りなさを感じるかも。

 * 他にアンチェル、ノイマンの両チェコフィルがリピートありません。ワルターも含めて、もしかして使用した譜面が、古いもの(第3稿・初版、リピート無し)なのかもしれません。

番外

特別盤 若杉/東京都交響楽団
 めちゃめちゃ熱い、日本を代表するマーラー演奏。しかも、2楽章「花の章」入りであるばかりでなく、演奏した版自体が花の章を含むハンブルク版(ブタペスト稿)というマニアぶり。交響詩「巨人」というやつ。演奏はアレレな部分もあるのだが(オケがド下手)なんといってもその貴重さとマーラーに対する情熱を推したい。長く製造中止だったが復刻した。ちなみに初演100周年記念演奏会らしいです。


第2交響曲
 
1.ノイマン/チェコフィルハーモニー管絃楽団
 キャニオンの新録のほう。地味中に地味ながら音質、表現ともにこれがすばらしい。特徴なのがボヘミア気質というか、旋律の歌い方。激しい表現の影に埋もれがちだが、2番は歌曲交響曲であるというのを意識している、豊かな旋律線。オーケストラ自体の独特の音色も嬉しい。意外にスカスカでカラ回りしがちな復活において、総合的にこれが最も聴きやすく感じる。再発されたSACDならばなおのこと良い。

2.テンシュテット/北ドイツ放送交響楽団
 First Classics 盤と Lucky Ball 盤しか持っていないが、前者のほうが音が良い。前はあまりに凝縮し、燃焼しすぎた響きが、復活の雄大さを殺しているように感じていたが、聴き直すとやっぱり良いわ(^^;A ただしこれは普遍的な解釈ではない。2番は6番とはちがう。これはまさに地獄からの復活、もしくは地獄の王の大復活である。テンシュテットのみがこの曲から恐怖を引き出しているように感じる。正規盤にも登場したので、載せることにした。また1989年のロンドンフィルとのライヴ盤も2010年に発売された。93分にも及ぶ伝説的大演奏で、フレージングといい、迫力といい、構成力といい、完璧だ。

3.クレンペラー/フィルハーモニア管絃楽団(バイエルン放送交響楽団)
 EMIのスタジオ録音のほうです。中でもいろいろCDの種類があるが、最新のART盤がすばらしい音質。もう最高峰。仰ぎみるような威容を味わってください。いうことなし。敬服。またバイエルンのライヴは、表現はより激しいもので、ライヴで熱いクレンペラーの魂が刻印されています。燃えさかる復活。正規盤は音質もすばらしいです。(バイエルンは1枚もの)

4.MTT/サンフランシスコ交響楽団(SACD 5.1ch)
 異様に豪華な盤のため完全注文生産というが、けっこう入手可能なMTTの全集。この2番も不思議な迫力と素晴らしい解釈、さらには音響を楽しめる。88分にも及ぶ壮大にして豪快な復活は、クレンペラーに匹敵。しかも音質はライヴとは思えぬ明快さ。特に1楽章が良い。

5.ジンマン/チューリッヒトーンハレ管絃楽団(SACD 5.1ch)
 まず音質が超最上級ながら、それでこそ可能になるマーラーの意図する明快さをここまで意識し、表現した2番は、無い。すばらしい音の構築物、歌、マーラーは金管や打楽器がただがなりたてる音楽ではけしてない。そういう演奏が悪い。ホールが悪い。オケが悪い。マーラーが生前から悩まされてきた全ての問題は、いま、ここに解決する!! ジンマン、タダモノではない!


第3交響曲

1.ベルティーニ/ケルン放送交響楽団
 私にとって完璧に理想の3番。エキセントリックな表現、素朴な旋律線、複雑なオーケストレイションを浮き彫りにする手腕、なにより全体を包む耽美眼。云うことなし。文句なし。ただ、いまとなっては音質だけ……これはしょうがないか。

2.ハイティンク/シカゴ交響楽団(SACD 5.1ch)
 2006年ライヴ。マッチョな演奏を好む人からは評価が低いだろうが、マッチョな3番など疲れるだけ。この美しさ。そして陰に隠れた醜悪さ。まさにマーラーを聴く醍醐味。録音も最上級で、演奏も素晴らしい。なにより面白い。演奏時間としては長い部類だろうが長さを感じさせない。

3.ノイマン/チェコフィルハーモニー管絃楽団(SACD 5.1ch)
 1981年録音の旧盤も良かったが、SACDで蘇った1994年の新録。キビキビとして歯切れの良いテンポとリズムに支えられた旧録に対し、かなりゆったりと間をとっている。遅いというでも無いが、1楽章などは遅く感じるだろう。とにかく歌(旋律)がうまい。全体のバランスも良く、声部も上手に掬い取られている。歌唱も良い。オケもうまい。ケイマルさんのソロも絶品。

4.MTT/サンフランシスコ響(SACD 5.1ch)
 やはりこの時代、音質の差は大事か。マーラーの複雑な管弦楽の綾をいやというほど浮き彫りにする。全体にテンポが遅めで、そのじっくりさがすごい。金管の音も良く、素晴らしいが、やや3楽章など遅すぎて緊張が削がれた。そのため、以降に聴き続けられない。それだけ残念。1楽章の解剖度は恐ろしいほど。

5.シャイー/ロイヤルコンセルトヘボウ管絃楽団
 なんという、優しさと切なさ、そして美しさのだろう。じっくりと情感的・情景的に響くマーラーの、なんという幸福感なのだろう。3番の初心者の方でも、大丈夫だと思います。これを聴いて、3番を、そしてマーラーを好きになってください。魂の浄化です。ただし、ドラマ性は少なくもの足りない聴き手もいるだろう。


第4交響曲
 
1.シノーポリ/シュターツカペレドレスデン
 62分に及ぶ最重量級の表現ながらこの典雅さと優雅さ、軽やかさは奇跡!! シノーポリの歌心と微細な解析技が奇跡の融合を果たしている演奏。美しすぎるのが罪! あえて贅沢を云うならば、もう少しこの曲は毒が欲しかったかな。1999年のライヴ。ライヴとは思えぬ録音の良さも加味される。

2.クレンペラー/フィルハーモニア管絃楽団
 4番に対して完全に目からウロコ、心から開眼した演奏。好みの問題であるが、4番は情緒的にやってしまうと3楽章など、どうしても冗長になってしまう。そこはクレンペラー。お情けなどいっさいなし。あくまで音楽の美しさを追求。完璧なプロポーション。マーラーは美しい。心からそう思える。ただしコップさんの歌は人によっては苦手かも。

3.ベルティーニ/ドイツベルリン交響楽団
 2004年、最晩年ライヴ。死の1年前ながらその若々しさとみずみずしさには脱帽する。特に3楽章が陶然とする。小ざかしさは皆無で、純粋に音楽を楽しめる。そう、マーラの交響曲は論文でもミステリー小説でも無い。音楽なのである。4楽章の歌も良い。

4.ジンマン/チューリッヒトーンハレ管絃楽団
 このシリーズは、音楽的内容の求めるものがちがうため、シノーポリやバーンスタインとは比べられない。この演奏はそれらとはまったく異なる視点で作られており、現代の未来に対する提言を持つ。まず音響があり、音質があり、そして徹頭徹尾スコアを鳴らす解釈があり、そしてようやくマーラーの指示通りの音楽の作り方があり、最後にほんの少し、ジンマンの主張が入る。それは主に楽器間のバランスの差のように感じる。

5.MTT/サンフランシスコ響(SACD 5.1ch)
 私は初めて聴いた、4番のSACD。それよりもなによりも、この異様なほどのたっぷり感はどうだ。60分を超える4番の、マーラーの隠してあった全ての法悦と毒を引き出している。3楽章はまさにフィナーレで、4楽章はエピローグ(そしてプロローグ)なのだということを教えてくれる。しかしもったりしすぎてそれが苦手な人はいると思う。


第5交響曲

1.テンシュテット/ロンドンフィルハーモニー管絃楽団
 セッション録音も良いですが、やはり正規のライヴ盤のほうを。この交響曲を、ここまで構造はおろか心情までも理解し、さらに情熱と心酔をもって演奏する指揮者は後にも先にも皆無。激情と灼熱の5番。熱すぎて火傷に注意。(わしはもう炭化しています。) 日本ライヴは特に感動です!

2.ジンマン/チューリッヒトーンハレ管絃楽団(SACD 5.1ch)
 SACDの音質も良いが内容も素晴らしい。管弦楽法の全てを表現し、マーラーのフレージングの全てが生き生きと鳴っている。各楽章の描きわけも良く、逆に一体感がある。全体的にマーラーのオーケストラ解析に重点があるためテンポがゆっくりめなので、勢いが好きな人にはそこがいまいちのようだが、音楽的構造をこそ音楽として聴くものにはたまらない演奏。

3.ベルティーニ/ヴィーン交響楽団
 1983年のライヴ。5番はヴィーン音楽であるという信念に基づいた、究極の演奏。テンシュテットほど暴れていなく、ノイマンほど歌ってもいないが、テンシュテットほど狂っておらず、ノイマンほど田舎くさくない。まさに都会の教養人たるマーラーらしい洒落た演奏で、それでいて、紛れも無くマーラーである。全体を統一した、7番のようなシンメトリー構成による稀有の成功例。
 
4.ノイマン/チェコフィルハーモニー管絃楽団(SACD 4ch)
 1977年の録音ながら、マルチチャンネル! それがSACDの時代にようやく真価が問われた! その音質のすばらしさと現代の技術を凌駕するような臨場感ある立体音響に、マーラーのスコアの真価をも観る想い。演奏もノイマン特有の伸びやかさが随所に現れている。

5.ラトル/ベルリンフィルハーモニー管絃楽団
 2002年ライヴ。いつもは顔だけニコニコしてもっさりした演奏のラトルだが、ここではノリノリである。アンサンブルに気をつかいつつ(ライヴならではの乱れも当然あるが)フレーズの最後の絶妙なタメがマーラーっぽくて良い。ついでにオーケストラの技量も最高と、かなり良い演奏。

 次点 コバケン/チェコフィル 時々無遠慮なドスーン!という重たい音(フォルテ)が来るのを是とするか非とするか。全体的には盛り上がりも良く、オケもうまい。 


第6交響曲

1.テンシュテット/ロンドンフィルハーモニー管絃楽団
 これも正規の1991年ライヴ盤の方を。まさに神的演奏。ハンマーは絶対無敵。大和級の主砲か雷神の天の鉄槌か。EMIの甘い録音には辟易するが、補って余りあるテンシュテットの鬼気。ドラマ。推進力。これへ共感しない人は、私とはもう、根本から6番へ求めているモノが異なる。打楽器の迫力がまた特筆もの。6番をひとかたまりとしてとらえ、一気に聴かせる手法の大成功のタイプ。表層的な効果だけではない、いやここまでしてくれるとそれをも超えた6番の真実の1つの姿を如実に晒し出す恐怖の演奏。ブラーヴォー〜〜!

2.ノイマン/チェコフィルハーモニー管絃楽団
 1995年の新録ではあるが、温故知新の演奏というべきか。チェコフィル(特に管)の巧さも然る事ながら、ノイマンの旋律を歌わせつつも、構造にこだわり、かつ、テンポも含めて全体の構成もよく練られている指揮ぶりには唸る。セッション録音ながらここぞという迫力も充分で、表面上だけを磨き上げる昨今の演奏とは対極にある。6番の演奏はその曲の特質からか、ライヴのほうが勢いがあったりダレなかったりして良い場合が多いが、セッションでこのパッションを維持するのは至難の業である。

3.スヴェトラーノフ/ロシア国立交響楽団
 うまい! 豪快! うるさい! 面白い!(笑) 金管だけ別録りしたのではないかというビリビリのラッパや、なりふり構わぬ猛烈な突進力を下品ととるか、流石ととるか。N響に向かって「お前らマーラーなんてどうせした事ないんだろ? だったらオレが振ってやろうじゃないか!」 と云ったとか云わないとかw 4楽章までパワー満点!! 2番ティンパニがハンマーより凄い!(爆) 最高!! 90年録音。セッション録音の中では最高の燃え上がり。かといって流石にセッションながらの丁寧さも併せ持つ。

4.リゲティ(アンドラーシュ)/ハンガリー・テレコム交響楽団
 2001年ライヴ。なんともマニアックな盤なうえにやや高かったが、買って大正解。大当たりである。久々にこのような勢いのある、生きた音楽としての6番を聴く。演奏もうまく、ライヴだがアンサンブルの乱れも少ない。管も良く鳴っているし、隅々までしっかりと解析もされており勢いだけではない。全楽章にハッとするところがある。マーラーは感情に任せてやっても、客観的にすぎても、特に6番は面白くない。叙情詩的叙事詩。それが奥義。(1枚もの)

5.ハイティンク/シカゴ交響楽団(SACD 5.1ch)
 2007年ライヴ。6番へ表層的な演奏効果のみでは満足できない、曲の内実を音楽的に表現してくれる演奏を求める人は、このハイティンクに何かしらの啓示を受けるだろう。90分になる遅めの演奏から引き出されるものはじっくりとした音符の鳴らし方。全体的に平易に演奏しているとすら思わせるCSOの巧さも凄いが、それを一糸乱れぬ棒で率いる巨匠ハイティンクも凄い。各楽器のバランス感覚も完璧だと思う。騒ぎ立てる演奏からはけして聴こえない部分も面白い。

番外

 我輩的超基地外級神的爆裂演奏伝

 1.テンシュテット/ロンドンフィル 1991年ライヴ(東芝EMI/TOCE9876/77)
 2.カラヤン/BPO 1977年パリでのライヴ(Karna Musik/KA-147M) 同年のザルツブルクでのライヴも凄い。
 3.MTT/ケルンWDR響 2008年ライヴ(Harvest Classics/HC06164)

 2と3のCD-R盤についての詳細は下記。


第7交響曲

1.MTT/サンフランシスコ響(SACD 5.1ch)
 7番は意味不明な駄作などでは断じてない。フレーズからテンポからメロディーから楽章構成までよく練られた面白い音楽であり、ベートーヴェンの7番に通じるリズムの祭典という意味の名曲。マーラーの交響曲中最大最高最強のパズル的要素とパロディーと純粋な音楽的美しさの、この究極超人級の管弦楽法の解析は、現役ではMTTの右に出るものはいないのではあるまいか。しかもそれをふまえても、この演奏は明るく、躍動感と生命力に満ち満ちている! まさに7番の理想の全てが詰っている!! 2005年のライヴ。7番が暗くて重くてつまんない音楽だと今だに思っているマーラー聴きがもしいたら、これを聴いて己の不明を払拭してください!(1枚もの)

2.アバド/ベルリンフィルハーモニー管絃楽団
 2001年ライヴ。ライヴとはいえ失敗は少なく、オケは限りなくうまい。アバドの演奏はにくいまでにフレーズを処理し、リズムを活かす。1枚ものなのでやや速い部分もあるが、とにかく一気に安心かつわくわくして聴ける。1楽章からテノールホルンが脳天を突き抜け、5楽章の大伽藍まで大げさなようでしっかりと構造が把握されている。飽きさせる部分が無い。やはり執拗で大量な付点音符をどう処理するかが最大のカギなような。(1枚もの)

3.テンシュテット/ロンドンフィルハーモニー管絃楽団
 これも正規盤1993年ライヴ録音の方。大きな視点から神の手のように音楽をゆり動かすテンシュテット。かなり遅い演奏だが、フレーズもリズムも完全に把握されて弛緩するところが無い。音楽の芯の「ちから」を掴み取る真の闇と光のドラマ。清浄と淫猥の狭間で我々は何を見るのか。アドルノ論理による一時止揚と突破の対比をこれほどまでに抉りだす演奏は他に聴いたことが無い。通好みだ。いちいちタメの大きさが異常なほど。また参考までに1980年ライヴ録音は、テンポは速いが手法はこのころから変わらず、ホモフォニックな表現でありつつ、ポリフォニックな面もグロテスクに出す。なによりリズムが独特である。

4.ギーレン/SWR交響楽団
 1993年の録音。マーラーは基本的にホモフォニックな音楽家だと思うが、5番以降ポリフォニックな面を修行しその究極の成果がこの7番である。したがって7番はある種のシステマティックさが必要で、1番や2番、3番あたりと同列に扱ってはうまくない。とはいえ、豊かな旋律線はそのまま豊かに歌いあげる必要もあり、矛盾した処理能力が求められる難曲なのだが、ギーレンは見事にそれをやり遂げている1人。しかも相変わらずマニアックなところがトリッキーで、通好み。(1枚もの)

5.クレンペラー/フィルハーモニア管絃楽団
 7番鑑賞の奥の院。世を震撼させる解剖学的演奏。さしもの私も滅多に聴けない。クレンペラーの手による恐るべき手の中で、我々は100分を超える音楽の魔術に魂を支配される。しかし7番交響曲の構造的な魅力をもっとも早く見いだし、解析しようとした超未来的で超画期的な演出であることにも注目! 解釈に奏法がついて来なかったか。時代の先を行き過ぎて、神様の演奏はトンデモ盤にさせられた。1・2・5楽章は確かに遅いが、3・4楽章は意外にふつう。まさにクレンペラーの 「この曲は音がゴチャゴチャありすぎて、これくらいの速さじゃないときれいに聴こえないんだ!!」 という信念が聴こえてきそう。遅くともフレーズは生き生きとし、7番はしっかりと躍動し呼吸している。素晴らしい。この演奏の真価を知るには、7番をかなり何種類にわたり聴き倒す必要があると思われる。個人的にはダントツナンバーワンなのだが、初心者向けではないのでここに置いておく。これより上がどのくらい入れ代わろうとも、この盤は永遠にここにあるだろう。1969年の録音。


第8交響曲

1.ベルティーニ/ケルン放送交響楽団
 まさに天国の調べ、光と水の交響曲に相応しい怒濤の音色。柔らかく妙なる表現がたまらない。豊穣なる液体が聖なる器より蕩々と流れ出る様を素晴らしく表現している。ライヴからか、合唱の迫力も上々。魂が溶け合う瞬間を聴くことができる。1991年ライヴ。

2.テンシュテット/ロンドンフィル(DTS 5.0ch)
 1991年ライヴの、DVD。テンシュテットのクネクネ指揮も貴重だが、そのけして拍をとるためではない指揮から導き出される音楽は、あくまで職人的理詰めで、しかも熱く、濃い! 全ての音符に意味があることを、テンシュテットは教えてくれる。同ライヴのCDも出て、これがまた良い。また演奏は良いが録音がぼやけているセッション録音も、ART盤だとその圧倒的な表現の手腕を味わえます!(特に低音部)

3.ナガノ/ドイツベルリン交響楽団(SACD 5.1ch)
 素晴らしい音質もさることながら、1部はその圧倒的なスケールにまず座布団1枚。宇宙に満ちたエーテルの奔流。リズムも良く、飽きない。2部も、じっくりと流れる音楽に身を安心して浸せる。8番の本質を貫いている。ただし、録音の関係か、オケの技量か、金管弱し。残念。

4.山田一雄/東京都交響楽団
 1979年ライヴ。8番日本初演者ヤマカズさん。その解釈はけして諸外国の指揮者にひけをとらない。オケもなかなかうまい。1部の興奮の坩堝は流石。しかし音楽は崩れていないのも流石。一気呵成。2部のしっとりとした叙情や詩心も、素晴らしい。ただ……合唱がザワザワする……(笑)

5.朝比奈隆/大阪フィルハーモニー交響楽団
 1972年ライヴ、なんと日本で3回目の8番の演奏らしい。日本のマーラー演奏史上に残る演奏だけではなく、内容もたっぷりと音の奔流が水を湛えたようでさすが朝比奈。オケは下手でオルガンは電気だし合唱の発音や音程は悪いかもしれないが、その圧倒的な音楽は無視できない素晴らしい演奏。


大地の歌

1.ベルティーニ/ケルン放送交響楽団
 とにかく美しい。6楽章などは魂が抜かれる美しさ。絃の艶といい、木管の味わいといい、ベルティーニの大地は東洋的情緒にもあふれた、真の名演奏。究極盤。かも。また、この解放感と透明性はソプラノの歌唱によるところも大きい。アルトを指定したマーラーの意図には反するかもしれないし、深みに欠けるかもしれないが、あまりに耽美的な叙情性に、すっかりやられてしまいました。1991年日本においてのライヴ。

2.クレンペラー/フィルハーモニア管絃楽団・ニューフィルハーモニア管絃楽団
 録音時期のせいで二つの名前でオーケストラが入っている。EMIのふざけたマスタリングは盤によって月とスッポンほどの差があるが、最新のART盤で開眼すること間違いなし。大地の抒情性と、交響曲としての構成という一見矛盾する部分が、即物的な解釈の元、見事に解け合っているのを確認することができる。

3.シノーポリ/シュターツカペレドレスデン
 マーラーが生前、自分の交響曲に求めていた最大の関心事は「明快さ」であった。それをまさに描ききるシノーポリのうまさ。そして、オーケストラの持つ古然とした独特の艶がそれへ、えも云われぬ味わいを加えている。録音優秀、解釈明晰、歌手もオーケストラの1パートとして書かれているのを再確認する響き。その響きがゆえの交響曲としての大地。歌曲集ではありません。

4.ケーゲル/ライプツィヒ放送交響楽団
 情緒がどうのこうなどとは関係のない、この強靱な意志と集中力とアルトの歌唱力をもってさらけだす大地の歌の圧倒的な存在感。中華の奥深さを示すような演奏というべきか、西洋的な交響楽としての大地の決定盤というべきか。こうなって初めて分かる、大地の西洋音楽的な美しさというべきか。お耽美演奏の対極にあるもの。1977年ライヴ。
 
5.ジュリーニ/ベルリンフィルハーモニー管絃楽団 or ヴィーンフィルハーモニー管絃楽団
 どちらも表現的(歌手も)には同じだが、音響ではスタジオ録音のBPO、ライヴ(1977年)ならでは高揚感ではVPOをとりたい。たっぷりのテンポに余裕の響きが、素晴らしく懐の深い表現となって結実している。各楽器、歌唱のメリハリにも指揮の手腕が遺憾なく発揮され、未推敲等の理由でかなり鳴りづらい大地の歌をここまで「鳴らした」演奏は、滅多に無いと思う。なにより香り立つような気品と、奈落の底のような深さが凄い。


第9交響曲
 

1.ベルティーニ/東京都交響楽団
 魂を聴きたい人に。(L2004)

2.カラヤン/ベルリンフィルハーモニー管絃楽団
 至芸を聴きたい人に。(L1982)

3.MTT/サンフランシスコ響
 精緻と精神を聴きたい人に。(L2004)

4.クレンペラー/ニューフィルハーモニア管絃楽団
 威容を聴きたい人に。

5.アンチェル/チェコフィルハーモニー管絃楽団
 真実を聴きたい人に。

次点(次点順)

 テンシュテット、ハイティンク、アバド、ノイマン、シャイー、ギーレン、シノーポリ、バーンスタイン、朝比奈、ワルター、バルビローリ、インバル、デワールト。
 
 次点は、別に人によって私の1〜5と入れ代わってもぜんぜんかまわないほどの名演奏です。このように、マーラーの中でも9番は名演率が高い。それだけ、演奏者をも惹きつける魔力をもっているということでしょう。


第10交響曲

 9番に全集版1楽章が入ってるヤツで9番が良いのは10番も間違いなく良いです。テンシュテット、ベルティーニ、インバル、バーンスタイン、ギーレンあたりでハズレはありません。

 クック版は私はあまり持ってないのですが、みなわざわざ録音するだけあって素晴らしいです。とはいえ、クック実用版では、ギーレン/SWR交響楽団が、決定盤です。これに限ります。

 クック版以外は、そもそも大体1種類しか演奏が無いし私もそれほど所持してないので、割愛します。 


 バーンスタインとクーベリックがあまり入っていません。バーンスタインは通好みの演奏で、マーラーファンが聴くというより、バーンスタインのファンが愛するものに思えます。クーベリックは熱いライヴ演奏がたくさんありますが、音質がときどき悪いし、たまに凝縮された演奏がせっかくのマーラーの伸びやかさを殺してしまっているので、入ってません。

 コバケンは日本のオケじゃ正直、物足りないです。

 ラトルはぜんぜんダメだったんですが、BPOとの5番は例外的にすばらしいです。

 また、テンシュテットのBPOとの6番のライヴというのは、録音が残っているのだったらぜひ出してほしいものです。

 いやマジで。


CD-R盤特集

 原則としてCD-R盤は取り上げないが、棄てるに惜しい超演奏の数々に、紹介だけ。正規レーベルよ、謹んで爪のアカを煎じて呑めい!(ぜんぶライヴ録音。音質は必ずしも良くない場合もあります。詳しい情報はディスコグラフィーを。)

 
2番 クレンペラー/ニューフィルハーモニア管絃楽団
 私のは独自にダビングしてもらったCD-Rだが、以前にアルカディアレーベルより出ていたもの。クレンペラー最晩年の、100分におよぶ驚天動地の大復活。神様の復活を誰でも聴けるようにして、お願い。
 
4番 ベルティーニ/ドイツベルリン響
 2004年最新ライヴ! 老境の極致といいつつもこの若々しさと清浄さはなんとしたことか! 軽やかに流れる詩情とメルヘン、そして深く黒い毒。4番交響曲の酸いも甘いもかみわけた至芸!→2007年末、WEITBLICKから発売!
 
5番 ゲルギエフ/ロッテルダムフィルハーモニー管絃楽団 
 ゲルギー節炸裂のコッテリ5番。音質も良く、かなりお買い得。そのうちゲルギエフは正規でマーラーシリーズを出すような気がする。→ロンドン響と進行中!

6番 カラヤン/ベルリンフィルハーモニー管絃楽団(ザルツブルク音楽祭8/28)
 カラヤンはいったいどうしてしまったのか、悪いものでも食べたのではないか。荒れ狂い、啼き叫び、怒りをぶちまけ、天下のBPOが悲鳴をあげる。鬼か、カラヤン。戦慄のウルトラ演奏。フライング、音ミス、崩れ、しかもそれを容赦なく縛り上げる! これは、まさに狂っている、怒り狂っているとしか思えない凄絶な記録だ!!

6番 カラヤン/ベルリンフィルハーモニー管絃楽団(パリ6/17)
 なんと、上記の録音の2カ月前に、カラヤンはパリでもライヴを行っていた!! 内容はほぼ変わらないが、音質の差で、パリライヴをとりたい! この戦場音楽のような6番は、聴くものをいやが上にも昂揚させ、狂わせる、非常に危ない演奏である!

6番 バーンスタイン/ウィーンフィルハーモニー管絃楽団
 バーンスタインによるマーラー像、ユダヤ情念ドロドロ系というものは、じつはDGによる捏造なのではあるまいか? などと思ってしまうほどの、伸びやかさと解放感。それでいて、どこまでも歌いあげるバーンスタイン節は全開。VPOの独特の音もマッチし、これはたまらん!

6番 MTT/ケルンWDR交響楽団
 2008年ライヴ!! 21世紀に現れた温故知新の美しくも気合と熱気のこもった素晴らしい演奏。2楽章は新世紀に入ってからはアンダンテが多いがスケルツォ。指揮者のこだわりが感じられる。4楽章の狂いっぷりはこれがあのMTTかと思う。サンフランシスコ響とのライヴとは別人!

7番 ベルティーニ/ベルリンフィルハーモニー管絃楽団
 ベルティーニの確実な棒に輝くようなベルリンフィルとくればもう恐いものはなし。おののくようにはじまる冒頭から、闇の奇怪な世界と夢見るようなメルヘンの世界の奇妙な交錯、4次元的な楽しさ。

7番 テンシュテット/ロンドンフィルハーモニー管絃楽団
 おそるべきテンシュテット伝説がここに! 奇妙とか、奇天烈とか、奇怪とか、そのようなレベルを超えてしまったテンシュテットの世界。ザ・ワールド! かなりトリッキーな演奏であるにちがいないのだが、まるで普遍的な交響曲がそこにある。テンシュテットだけの世界。

7番 ギーレン/オーストリア放送響
 ギーレンの凄さはライヴにて乗倍する! リズムの処理を全曲全パート全フレーズに徹底させた結果、すばらしくノリがよく生き生きとして、統一感があり、しかもそれが感情に流されず理性にコントロールされる! 特に緩急静動自在にして打楽器も凄まじい5楽章が圧巻中の圧巻!!

大地の歌 ノイマン/ヴィーンフィルハーモニー管絃楽団
 うまい! 味があるとかなんだとかではなく、純粋にうまい! 指揮よし、オケよし、歌よし!! 完璧なアンサンブル、完璧なフレージング、そして歌唱。これが正規で良い音質だったら、これ以上の(この方向性での)大地は考えられないほどうまい。あまりに濃厚なまさに西洋音楽として、西洋後期ロマン派交響曲としての表現に、違和感を感じる人もいるかもしれぬほどに、ドラマティック。大地の歌は死の境地?? ばかばかしい。こんなに生命力にあふれている。こんなに生きるということの素晴らしさを歌っている。

大地の歌 シャイー/コンセルトヘボウ
 これもまたうまい……! そして美しい! 全集に入っていないがこのCDRで満足できる。いや、セッションを超えている部分も多い。ライヴならではの盛り上がりも充分すぎ、各楽章は丁寧かつ、味がある。とにかく6楽章などは完全なる美を聴くことができる。愛だ、ここには愛がある!(笑) 

9番 ドラティ/ベルリン放送響
 珍しいドラティのライヴ、そしてヨーロッパのオケ! 硬派な、古風な、そして現代的な9番! 感情に流されず、それでいて、2・3楽章の表現も面白く素晴らしい! 1楽章は最初はやや大人しいが興が乗ってくるとうねりをもって管絃楽が応じ、4楽章も感傷的ではなく、低絃の響きが現代人の心の闇を表現する!

 9番 カラヤン/ベルリンフィルハーモニー管絃楽団(BPO創立100周年記念演奏会5/1)
 9番にもCD-R盤が!! この年には9月のベルリン芸術週間におけるライヴ(9/30)が正規盤として出ているから、3回も9番をやったのである。その中でいちばん最初のこれは、6番ほどではないが、凄まじい熱演で、衝撃的だ。カラヤンの印象を変えるほどの生々しさ、そしてカラヤンらしい美しさ!!

 9番 カラヤン/ベルリンフィルハーモニー管絃楽団(ザルツブルク音楽祭8/27)
 こっちも素晴らしいが、5月に比べると演奏がよりこなれている雰囲気。その分、衝撃度は低いか。これを経て、9月に行われた、正規で出ているライヴ盤は、熱くもクールな、美しくもグロテスクな、奇跡のような演奏となっている。カラヤンのライヴを聴かずして、マーラーの9番を語るなかれじゃあ!!

 9番 クーベリック/NYフィルハーモニー交響楽団
 1975年ライヴ。これぞ真のクーベリックのマーラー! CD-Rながら音質は最高! オケもうまい! バイエルン放送響では伝わってこないものがガンガン伝わってくる名演奏!

 9番 ハイティンク/ヴィーンフィルハーモニー管絃楽団
 2004年ライヴ!! ハイティンクのマーラーは全集が何度も頓挫し、とても複雑。ナンバーやオーケストラによって出来不出来もあると思うが、9番は初期のロイヤルコンセルトヘボウからしてかなり凄い。そしてこの最新のライヴである! 音質はやや落ちるがそれにしてもこの尋常ならざる闊達自在の表現はいかに! 現役でいまこれだけ9番を振れる人が他にいるだろうか!? いない! 


マーラー指揮者

 ただ単にマーラーが得意な指揮者はマーラー指揮者ではない。少なくとも私にとって。昨今はマーラーが人気なので、うまい指揮者はみなマーラーを振るし、指揮の技術も上がっているので、マーラーを振れる。オケがうまくて、指揮者もうまければ、マーラーは鳴るようにできているため、CDやコンサートのチケットも売れるというものである。

 だがそれではキリがないし、面白くない。マーラー指揮者はマーラーがうまいだけではなく、指揮者のオリジナルの解釈だけではなく、自分なりのマーラーへのこだわりがなくてはならない。まあそれはなんでもよいのだが……指揮者の個性として、それらはマーラーに限らず、他の演奏にも出ているものであるが、それがマーラーのもつ特徴と合致している場合は、大変な幸福が訪れる。

 すなわち、マーラー指揮者とはマーラーの中に潜む普遍性を引き出さなくてはならない。その指揮者の得意なやり方が、マーラーのもつ普遍性と一致しているということは、その指揮者はマーラーと合っているということになる。マーラーと合わない指揮者や聴き手は存在する。無理にマーラーを演奏する必要もないし、残念ながら聴く必要もない。

 1.テンシュテット 
 マーラーの中にひそむ恐怖や不安をこの人ほどあからさまに出す人はいない。

 2.ノイマン 
 マーラーの中にひそむ歌謡性、ホモフォニックな面をとても上手に出している。
 
 3.ティルソン=トーマス 
 書法の解析では他にも高名な指揮者もいるが、MTTはそれらの中でもっとも確信を持って音楽的に処理している。

 4.ベルティーニ
 ベルティーニのマーラーはちょっと変わっている。旋律を重視しつつも、構築を忘れない。かといって、楽譜のあまりに細かな指示にこだわらない。また、マーラーの中のウィーン風の都会的なヲサレな解釈も忘れない。最もマーラー本人の音楽性を忠実に表しているように感じる。


日本人のマーラー指揮者

 日本人でマーラーを指揮する人は数あれど、やはり日本のオケから外国の演奏に匹敵するものを引き出せる人はまだまだ少ない。

1.朝比奈隆
 地味にこの人はベートーヴェンやブルックナーなどより、断然、マーラーが圧倒的に凄い、素晴らしい!
 
2.小林研一郎
 ナンバーによって向き不向きがあるようだが、無理に全集を作る必要はない。現役では最高峰でしょう。

3.若杉弘
 邦人演奏も定評があるが、なんといっても都響のマーラー全集が(解釈は)素晴らしい。オケを変えて再録をしてほしかった。

4.山田一雄
 実力的にはたぶん最もマーラー指揮者なのがヤマカズ。しかしCDがいまだ2番と8番のみ。地味にそんな演奏もしていない。勿体ないというか……。ブームに乗るのを良しとしなかったというか。


※小澤、そろそろマーラー再録音しないかなあ。この前のNHK音楽祭の運命みたいなマーラーを聴きたい。→2007年のサイトウキネンの1番の演奏を観ました。サイトウキネンではしなくていいです(笑)




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