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雨の晴海は、熱気にあふれていた。
曜日を間ちがえた跡が………ww
雨に濡れたため、折ってかばんへつっこんだのでよれてしまいました。。。
文章は野坂先生の娘さんの小宮先生。
こっちは野坂先生。
私、有馬礼子先生、伊福部玲先生、和田薫先生。
終演後、現地合流した不気味社音楽応用解析研究所所長と主席秘書と共に、お好み焼きやもんじゃ焼きをつつきながら、冷えたビールをがぶがぶと呑み、伊福部談義に華を咲かせた。
もんじゃ焼き。調理は所長(笑) 生まれて初めて食う。
主席秘書(エックス星人形態)
所長(エックス星人形態)
バロームエーックス!! しかし我輩は特撮はそんなに詳しくない(^^;A
スミマセンwww
その席で、またも、SF交響ファンタジーに関する秘蔵の魔煮圧苦ネタをちょうだいしたので、ご披露したい。いや、これはSF交響ファンタジーを鑑賞するのに、非常に示唆に富む蘊蓄となるでしょう。所長、アリガトサマデシタ。
1番の話なのですが、ラドンのテーマが出てくるところで、バスドラが怪獣の足音、あるいは鼓動のように一定のリズムを叩いていて、一拍だけ、むき出しのソロになるのですが、そこだけ大きく ドン! と叩く演奏があるがそれは譜面にはそう指示がない、などは序の口。
ゴジラの一連の音楽の後、ゴジラVSキングコングの 「♪アーシーアナロイ………」 のタイトルロールにそのまま突入しますが、ここんとこ、
歌詞の部分でいうと アーシーアナロイ アセケーサモアイ に
< f >
↑ こんな感じに、真ん中辺のフォルテを頂点に、クレッシェンド−デクレッシェンドというデュナミークがついています。
これがまた、譜面には、真ん中にポツンとフォルテがあるだけで、そんなデュナミークの指示は無いっつうんですよ!
それで、ここからが実に興味深いお話なのですが、SF交響ファンタジーの1番は私が持っているだけで編曲ものを含め10種類を超えるのですが、さすがにぜんぶは確認してませんが、所長曰く、
「いわゆる、クラシック畑の人が、そういうデュナミークをつける」
「自分の父親(九鬼蛍注:所長の御父君は東京混成合唱団の指揮者でおられる。)が合唱としてピアノ伴奏で指揮したときも、SF交響ファンタジーを聴いたことないはずなのに、いきなりそういう表現をしたので、心底驚いた」
なるほどと唸った。
というのも、我輩もアマチュアオーケストラで、指揮者の先生から、そのように教わったことがあるのだ。
指揮の先生曰く、フレーズの真ん中にポツンとフォルテがある場合は、そのフォルテへ向かって自然にクレッシェンド−デクレッシェンドをするのが、(西洋)音楽としての表現法の流儀。
我輩は特にベートーヴェンとかにそういうの多いと感じていますが。これはあくまで自然にそうするのであって、完全にそうしてほしいときは、譜面にちゃんと書くので、やりすぎてはいけないのだそうだが。作曲者も、そういうふうにしてほしくて、真ん中にポツンとフォルテを書いてある。最初からフォルテにしてほしいときは、フレーズのアタマからちゃんとフォルテを書く。
しかしこれは伊福部である。
西洋音楽の流儀であるが、中身はぶっちゃけ西洋音楽ではない。
映画サントラでは、さいしょからフォルテで 「♪アーシーアナロイ アセケーサモアイ!!」 ってなってるんですよ! と、所長が力説して歌い出す。
うーん、なるほど。しかし、伊福部先生が監修した演奏でも、クレッシェンド−デクレッシェンドになってるから、別にいいような気もするが、所長はゆずらない。「♪アーシーアナロイ アセケーサモアイ!!」 とさいしょからずっとフォルテだっていいじゃないですか、と歌い続ける。
そこで、帰って来てこの稿を書くにあたり、映画サントラ盤と、SF交響ファンタジー1番の録音の中で、もっとも映画音楽の実戦場に通じていると思われる佐藤勝先生の演奏を聴いてみた。
映画のタイトルロールはたしかに、一本調子でずっとフォルテだった。伊福部先生が、あえて西洋音楽のそういう表現法を無視したとすれば、土俗的表現として効果が高い。交響ファンタジーにおいても、そういう演奏があっても良いかもしれない。
佐藤先生の演奏は、かなりのスローテンポで、かすかに、さりげなく クレッシェンド−デクレッシェンド になっていた。
やはり、映画音楽としても、クラシックとしても、いちばん分かっておられたのかもしれない。
追伸 所長、SF合唱ファンタジーは是非ともお願いしますよ!!! → 2012年 つ い に 出 ま し た!!
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