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 PMF Tribute to Takemitsu

  簡素で好感のもてるパンフ。

  いつも通り暗い上に曲がってスマソです。

  尾高さんの寄稿。

  真樹さん急病。

 小室さんによる武満秘話。歌曲「明日ハ晴レカナ曇リカナ」誕生の経緯。

 これは何かの映画のインナーソングだったと記憶しているが不勉強ながら知らない。しかし作曲そのものは、札幌で行われたという。
 
 というのも、映画「乱」のサントラ録音にて北海道を訪れた武満だったが、もう録音が半分以上進んでいるのに、黒澤がああでもないこうでもない、やっぱりこういうふうな音楽にすれば良かったなどと専横極まりないため武満が怒って 「ぼくは下りる! この音楽を好きなように変えていいから、作曲者として名前をださないでくれ!」 とホテルの部屋に閉じこもってしまった。何時間かたち、大人げなかったかと思いなおした武満がホールまで戻ると、監督や岩城、札響メンバーみんな待っていてくれた。武満は感動したが、「やっと機嫌を直したか、これで雨ふって地固まるだな!」 という黒澤のひと言に 「誰のせいだと思ってるんだ!」 とまた怒り出したという………(笑)

 それはさておき、乱のスコアの片隅に、武満が走り書きで 昨日ノ悲シミ……… と書いてあり、その場で即興的に作曲したのがこの歌だそうです。それは偉大な芸術家としての映画監督の姿、そして嵐のように変わるその機嫌。つまり、明日ハ晴レカナ曇リカナ というのは黒澤監督の機嫌のことだったというオチ。

 こんな名曲が意外と他愛もない動機で造られる妙ですね。





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