オペラ/オラトリオ「エディプス王」
新古典主義を代表する音楽のひとつです。オペラではなんといっても、「放蕩者のなりゆき」が新古典時代最後の作品としてそびえ立っていますが、えー、オペラは苦手なのでちょっといまだに敬遠しています。(長いしなあ)
エディプス王は舞台作品として書かれましたが、ストラヴィンスキーは前々より、バレー音楽でも、バレーのBGMとして演奏されるよりコンサートで上演されるほうが純粋に音楽として真価が発揮できると考えていましたし、じっさい火の鳥やウグイスの歌は原作から演奏会用の組曲や交響詩を創っています。ペトリューシュカも、編成を小さくしてコンサートで演奏しやすくしています。そんなわけかどうかは知りませんが、この作品は舞台でOK、純粋にコンサート作品としてもOKという、一風変わった造りになっています。
初演がまずオラトリオ形式でしたし、いまでもオペラの上演よりコンサート形式の方が多いみたいです。(オペラでの初演は1928年、ベルリン・クロール・オペラにて、指揮はなんとクレンペラー!!)
テキストはラテン語により、ギリシャ神話のエディプス王の物語が描かれます。
面白いのはストラヴィンスキーは、なるべく近代的な効果をだそうとして、音楽そのものへ静かな印象を与えるべく……静かといっても音楽的に静かなという意味ではなく、ドラマティックなオペラによくある、アリアが朗々と歌う劇的な演劇効果をおさえた、無表情の集団というか、いわゆる非常にモダンな造りになっている……観客が聴いてもいきなり筋を理解できないよう、ラテン語を選んだ、とあります。
つまり、一定のリズムと抑揚のない旋律が延々と繰り返される様は、新古典主義といってもかなり原始主義の色合いを濃く残しており、ズバリ、オルフのカルミナ・ブラーナに通じる芸術があります。
オルフがこいつや結婚を参考にしてカルミナを作曲したという話は、まんざらでもないと思います。
12音技法で聖書に題材を求めたストラヴィンスキーは、この時代はギリシャ神話に基づく題材を好んで扱っています。バレー「ミューズを率いるアポロ」「アゴン」「オルフェウス」そして「エディプス王」……アラ、こんなもんですか(笑)
そしてCDですが……こいつも録音少ないのだなあ。
5位〜8位まで、のきなみマニアックな選曲ということなのだろうか。それとも単なる私の勉強不足なのでしょうか。CD屋うろついても、録音なんか滅多にない。見た事も聞いた事もない指揮者や楽団のはたまに見かけますが。古くてモノラルの場合もあります。
だから、サロネンの新録というのは、非常に慧眼なのです。
1.サロネン/スウェーデン放送交響楽団 他
2.小澤征爾/サイトウキネン・オーケストラ 他
3.アンセルメ/ナショナル管弦楽団 他
4.アンチェル/チェコフィル 他
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