タクタキシヴィリ(1924−1989)


 グルジア出身のソ連の作曲家、オタール・タクタキシヴィリ。ソ連崩壊の前年に亡くなっている。舌をかみそうな名前だが、○○シヴィリはグルジア系の苗字だそうで、例えばプーチンにケンカを売った大統領のサーカシヴィリ、スターリンの本名はジュガシヴィリ、等である。タクタキシヴィリは タkタk + シヴィリ という変形なのだろう。(ku ではなく k の音)

 また、NHKでは シュヴィリ という表記でした。

 そんな彼だがスヴェトラーノフ指揮のCDには民謡をオーケストラ伴奏した歌曲も収録されていて、そちらはモロ民族調なのだが、メインの交響曲は意外に純ロシア風なのが面白い。 


第2交響曲(1953)

 4楽章制で、まさに伝統的なロシアンシンフォニーを踏襲しており、その意味ではガチガチの保守派に入るだろう。1953年の作曲だが、ロシアでは社会主義リアリズムがどうのという云われだしたころだったろうか。仕方が無いといえば、仕方がないのであるが。

 重厚な弦楽によって幕を開け、その重々しいサマがもういきなり 「ロシア〜〜ッ!!」 って感じで微笑ましい(笑) 主題そのものは、グルジアの音楽なのだろうが。それにビリビリの金管とティンパニが加わったらもう無敵。アレグロの第1主題もカッコイイ正統派のロシア(ソ連)主題。哀愁たっぷりで、ロシア好きにはけっこうたまらないだろう。木管の第2主題もおきまりだ。ほぼ唯一のCDで指揮をしているスベちゃんのアレもあるのだろうが、この2人は年も近いし、共に交響曲を書いた年も近い。伝統的な、アカデミックなまでのソナタ形式で主題が展開され、再現部ではカッコイイ冒頭が短く再現され……。ティンパニドッカドカ(笑)

 かなり伝統的なロシア音楽です。1楽章がいちばん長い(重要視される)のも、とうぜん伝統的な交響曲の特徴です。

 2楽章はスケルツォではなく、ヴィーヴォ。これが意外と、ロシアっぽくなく、フランスっぽいかな? ストラヴィンスキーっぽいかもしれない。ちがうか。中間部のピチカートも軽やかに進む。舞踏に戻って終わる典型的な3部形式。

 3額章はアダージョで、ここでようやく(?)暗いロシアの音楽精神が出てくるかもしれないが、例えば共産政権への反骨といった要素は微塵も感じられず、暗いのだが純粋に美しい。木管の主題はたいへんきれいだ。弦楽の艶やかさも良い。3部形式だが、最後に、唯一の(少し)民族調の金管バリバリの雄たけびがあって、映画音楽みたいで聴き所。そこから再び美しい調べに戻り、穏やかな気分にさせてくれる。ベターな手法だが、それが良い。

 フィナーレはアレグロで、ソ連物といやアレグロ、期待できる。

 そして期待を裏切らないwww

 そう、我々は、この燃えるアレグロを聴きたいがために、マニアックなソ連物のシンフォニーを聴くのである!!

 なんだこのベタベタベタでヘンテコリンなラッパの旋律www

 これこれwww

 例えばこれがショスタコーヴィチなら鼻血もののカッコヨサなのだろうが、そうはゆかない。なんともこの中途半端な感じが、逆に良い。微笑ましい。人間味がある。完成されていないというか、完璧ではないというか。それでいてつまらないというのでもなく、聴けるから始末が悪い。最後はティンパニ連打www ベタベタ金管www

 そして大団円!

 地味に40分もあるのだが、クドクないせいで(純ロシア物は存外クドクない。バラキレフとかタネーエフとか。旋律重視で、オーケストラも派手だが厚くないせいだと思う。)聴後感は良い。






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