二剣用心棒


 1998年 第3回スニーカー大賞 奨励賞。

 審査委員の1人、水野良先生に

 「主人公のキャラがぜんぜんタッテない。まるで人形」

 「なんで架空の戦国時代なのか理解できない」
 
 と、さんざんに酷評された作品。
 
 しかし 「脇役はいい。特に修験者がいい」

 「スト−リーはおもしろかったですよ。ラストも良かった」 と褒められもした。

 いまにして思えばなんとなく理解もできるが、当時はこれでマジでイッパイイッパイだったですよ。

 普通の時代小説じゃなくって架空の戦国時代にしたのは、時代小説を中途ハンパな技法で書いても意味がないと思ったから。池波小説を崇拝するものにとって、当時の技術で同じ土俵にはどうしても立てなかった。(今でも)

 また本来西洋風ファンタジー好きですし。

 過渡期の折衷作とでも言えば聞こえが良いかなあ。

 ラグナロクに負けたのはキャラの魅力と商品力としての総合点。
 
 というか、いま見ればもう負けて当然作品。こんなものが賞をとったこと自体が何かの間違い。いやまじで。

 担当さんには、 「いつの間にか旅をしている。旅の目的がわからない」

 「ただ順番に敵が現れてそれと戦うのではゲームといっしょ」 と言われた記憶がある。

 あーうー。 


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